〒590-0952
大阪府堺市堺区市之町東6-2-15
トップページサイトマップお問い合わせ
堺、かおりの物語 >> TOP PAGE

堺、香りの物語〜12章 堺と白檀1〜

 お香の原料として、特に珍重されてきた香木に沈香と白檀がありますが、沈香の逸話があまりに良く知られているからか、白檀の方は何時頃日本に入ってきたのかあまり追求されなかった印象です。
 これらの香木は、仏教と共に日本に伝来した事は間違いない事ですが、中国や朝鮮半島の方面から伝わってきたという漠然とした事しか知られていないような気がします。

 もともと仏教は北インド、今のネパールの辺りから興ったとされていますが、お香を焚くなど香りの文化はもう少し古い文明、エジプトや古代ペルシャに遡るそうで、概ねインドから中近東、北アフリカにかけての文化だとされています。中近東の香りといえば、聖書にも出てくる乳香や没薬、甘松等や、バラの香りが思い浮かびますが、白檀も古代エジプトでは遠くインドから運んできてミイラの防腐剤として使われていて、少なくとも4000年前から白檀は貴重なものとして、西アジアや北アフリカまで運ばれていたとされています。実際、今日でも中近東のモスクでは白檀を焚いているそうですから、世界中で最も知られている香木のひとつだろうと思います。
 そうした西アジア発祥の文明がインドで融合してお香の文化が取り込まれ、東の端の日本まで貴重な香木として持ち込まれてきた事は確かです。

 ところで、日本に仏教が伝来したのは聖徳太子の時代より少し前の事。確かな年代となると、552年説と538年説の二説がありますが、その時に朝鮮半島の百済から伝わったとされています。日本書紀などによると、百済聖明王の使者が欽明天皇に金銅の釈迦如来像や経典などを献上した事が記されていて、難波津から大和川を船で上って海柘榴市(つばいち)という現在の奈良県桜井市に上陸したとされています。この時に、お香も伝わったかどうかは分かりませんが、お香の存在自体はその頃あたりから知られていたように思われます。
 ちなみに、現在ではかつて海柘榴市があった山の辺の道の起点である初瀬川沿の地に、仏教伝来の地碑が建っているので、奈良に赴く際に立ち寄ってみても良いかもしれません。


2012.07.07掲載
| Home | News | Company | About Japanese incense | Products | Contact us | Link | Sitemap |
Copyright 2013 Okuno Seimeido All rights reserved.