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堺、香りの物語〜17章 カーネーションの香り〜

 カーネーションの花といえば、「母の日」の贈り物として広く親しまれています。5月になってゴールデンウィークが過ぎる頃、母の日が近づくと花屋さんでよく見かけるようになり、その母の日が過ぎると割引セールが始まって、そのまま徐々に姿を消してしまうような印象です。
 何となく5月の花というか、季節の花のような扱いに感じます。

 ところで、この母の日にカーネーションを贈る習慣は、もともとは20世紀のアメリカでの社会運動から始まっています。南北戦争の終結直後、女性政治活動家ジュリア・ウォード・ハウ(Julia Ward Howe)が、夫や子供を戦場に送られるのを拒否しようと立ち上がり、1870年に「母の日宣言(Mother's Day Proclamation)」という平和と訴える声明を発表しました。女史は、「母の日(Mother's Day)」を平和の日として広く認知させようと訴え続けますが、やがてアン・ジャービス(Ann Maria Reeves)という社会活動家に引き継がれて行きました。「母の日」運動を引き継いで、彼女もまた戦時中の負傷兵の治療や公衆衛生の改善等の活動に取り組み、南北戦争後には平和的和解のために「Mother's Friendship Day(母の友好日)」といった平和活動を続けて行きます。
 アン・ジャービス女史の娘であるアンナ(Anna Marie Jarvis)が、生前の母の活動を偲んで、1907年の5月の第2日曜日に、友人を招いて記念会を開催し、その際母が生前好んだ白いカーネーションを贈ったのが母の日の起源とされています。
 翌年、母アン・ジャービスが長年日曜学校の教鞭を執っていた教会で、最初の公式の「母の日」としての式典が行われました。この母の日のセレモニーが青山大学に在籍していた宣教師によって紹介され、1913年に日本で最初の「母の日」の行事が行われたとされています。

カーネーションの花
 さて、母の日の贈り物として親しまれているはずのカーネーションですが、花は直ぐに思い浮かべられても、花の香りについてはあまりピンと来ないかも知れません。カーネーションは、実は古代ギリシャの時代から栽培されてきた花で、園芸種の品種も多く、香りの種類もかなり多いそうです。更に香りの強弱も花の種類によってあるそうなので、案外カーネーションの香りと言っても直ぐに思い出せない人もいるかと思います。
 このカーネーションの香りは、古代からハーブや香水としても利用され、ワインの香り付けなどにも使われてきました。
 一般には、カーネーションの香りは、丁子(クローブ)に似たスパイシーな甘い香りとされていますが、スパイシーな香りに加えて、バラやヒヤシンスのようなフローラルな香りやバニラのような甘い香りが程良いバランスを持つ香りと言われます。

 身近で誰もが知っている花でもあるカーネーション。梅や桜を満喫した後、5月に入ると少し食傷気味になりますが、世界中で愛されたこの花の香りをじっくりと鑑賞してみて欲しいと思います。

 奥野晴明堂では、花の精油を調合し、ほのかなカーネーションの香りに練り上げました。
自信作でございます。

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2012.09.16掲載
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