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堺、香りの物語〜18章 利休梅の花〜

 利休鼠や利休色など、利休の名を冠した色の名称は沢山ありますが、花の名前となるとどうでしょうか。利休が好んだとされる茶花は沢山あるものの、案外、利休〜といった具合に利休の名前を冠した花の名前はそれほど多くない様子です。

 例えば、庭木として知られる利休梅や園芸種で「利休」と名付けられている椿などありますが、やはり利休の名前を園芸種に付けるとなると、少し敷居が高いのかも知れません。
さて、利休梅(りきゅうばい)ですが、もともと中国原産で、明治時代に日本に入ってきたとされています。中国での名前は「白鵑梅」。春に枝先に花径4cmほどの大きさで、五弁の梅に似た白い花を咲かせます。この野趣溢れた可憐な花は、茶花としても尊ばれてきたとされますが、直接利休と縁のある花ではないようです。

 利休梅と命名された由来は諸説あるようですが、そのひとつが「花が咲く頃が、ちょうど利休忌の頃に咲く」といった謂れがあります。
 利休が秀吉の命により切腹した日が天正19年(1591年)3月26日とも27日とも言われますが、丁度その頃に庭に咲くので利休梅と呼ばれるようになったという説です。実際の利休梅の開花時期は4月上旬から5月頃までとされるので、春先から暫くの間、楽しむことが出来るようです。
 他の説では、利休が仕覆に使ったとされる梅鉢紋の緞子を「利休緞子」あるいは「利休梅緞子」などとも呼ばれますが、この利休緞子の柄を彷彿される花なので、この名前が付いたとも言われます。

 ソメイヨシノの花が咲き終わった頃、利休梅の花が咲き始めるそうですが、案外地味な印象の花なので身近なところで咲いていても気付かないかもしれません。春になる頃、近くを散策して是非利休梅を見つけてみたいと思います。

2012.12.25掲載
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